Sportsの窓

EPISODE 4


【その3】



〜 2005年〜2006度英国ラグビー事情 〜

ラグビーが大好きな旅する方々へ







久しぶりの英国ウィリアム王子の写真は
秋のニュージーランドへライオンズツアーへの応援に駆け、
チームの中で練習に参加させてもらって選手達から直々に教えてもらっていたショット

すっかり大人の面差しが頼もしくもあります

やんちゃ坊主の弟君・エドワード王子も大のラグビーファン
今頃は軍隊の中でもまれながらもシーズン半ばのイングランドチームを応援していることでしょう


さて、ラグビーページの更新が続いてしまいますが
どうぞシーズン突入、ということでお許し下さい












【秋の恒例テストマッチ】


北半球VS南半球



イングランドのスクラムハーフ・ドーソン

長年のイングランドの“顔”マット・ドーソン



さて、数ヶ月前の南半球遠征の打撃を励みに再び季節は進み
現在は南半球勢が冬シーズンの北半球に遠征してきています
今月11月に入り、ニュージーランド・オーストラリア・南アフリカの3ヶ国がトライネーションを終え、
調整後、六カ国対抗戦の各国と熱い戦いを毎週のように戦っています



アイルランド対ニュージランド
粉砕されたアイルランド



ニュージーランドはライオンズツアー戦後、
南半球のトライネーションを制した勢いに乗って今回の北半球勢とのグランドスラムを狙い
また、彼等の試合を観る限りではその実力は充分兼ね備えていると思います

すでに現在アイルランド、ウェールズに完勝して
11月18日ロンドンの本拠地トゥイッケナムでの事実上の決戦となりました

(スコットランド戦がまだありますが・・・・)

その前の週に行なわれたオーストラリア戦は不在だった為に
(我が家にはビデオはありません・・・・すべてライブ放送なのです・・)
結果しか知らないのですが、

トライネーションから数えて11月12日のイングランド戦まで、“7連敗”という結果は
ラーカム、ギタウなどの主力選手を欠いた時の選手層の薄さと代表選手の高齢化が問題なのでしょう

前回のワールドカップの時のニュージーランドもそうだったように
オーストラリアにもそのような過渡期が必ずあるのでしょう・・・


ワラビーズ




さて、ロンドンでの現地時間14時半キックオフのこの大一番は
すでに冬の寒さが画面を通しても感じられるような、超満員のトゥイッケナムスタジアムで始まりました

選手達よりも先にグランドに出てきていた審判たちの息も白く、
それでもスタンドからイングランドの勝利を信じる観客達からは
恒例のビールを飲みながら応援する多くの人々の歓声でその盛り上がりが判ります



ニュージーランドの“ハカ”は国歌斉唱の前なのか?
ニューヴァージョンになるのか?
すでに試合前から他の国々とは違う楽しみ方を与えてくれてるオールブラックスの面々は
まだグランドに出てこないイングランド選手達を向かい入れるように
グラウンドの中央で円陣を組み、これから始まる試合の緊張感を高めてくれます


そして、意を決したようにグランドに姿を現したイングランド選手達の顔を見た限りでは期待できそうな・・・・
でも、今でのジョニはともかく、ロビンソンもいない、グリーンウッドもいない・・・
怪我気味?のホッジソンがそのまま出る・・・
なんとも寂しく感じたのも事実です 

それに比べ黒い軍団は何と頼もしく見えたことでしょう
まるでこのロンドンのスタジアムが自陣でもあるかのように・・・

今年前半の六カ国対抗戦ではアイルランド・ウェールズに比べて
世代交代の遅れなどから出遅れ気味のイングランド
その2カ国がこのオールブラックスに粉砕されたのですから・・・
(その2カ国は主力を怪我などで欠いていたとはいえ、点数や内容があまりに差ができたように感じましたから・・)

おのずと・・・この試合はどのくらい引き離されるのだろう・・・という危惧が先にたちました




オールブラックス
黒い壁のような・・・・



その後期待通りの新しいハカを披露してくれたオールブラックスの面々は
ホッジソンのキックと同時に飛び出しました

しかし!

今回の大会で主将という大役を担う8番コリーの開始3分で見事な先制トライ!

モールを押し込んでのイングランドのお家芸ともいえるフォワードの力を見せつけた先制点でした

コリーのトライ


忘れていましたが、イングランドにはまだまだ頼もしい“いぶし銀”のようなフォワードがいたことを・・

ウェイトでも身長でも経験でも決して負けていない・・彼等の試合開始からの早い出足には
この一戦に賭ける彼等の気合が伝わり、この試合が期待通りの内容になることを予感させてくれました


あとは彼等が若いニュージーランドの対面達に最後まで体力負けしないことを願うばかり

スタンドからはすでに彼等を応援する『Swing low sweet chariot』の大合唱が
白い息と一緒に続きます



イングランドサポーター


その後前半は接点ではニュージーランドがスピード溢れる集散、
イングランドが力強さを前面に出し一進一退を繰り返しましたが、
やはり全体的な流れはニュージーランドが主導権を握っていたように思います

解説者の方々も言っていたようにニュージーランドの選手の一人一人のスキルが
どうみてもイングランドよりも上回っていたように終始見えました


イングランド・ドーソンからボールをもぎ取る
当たりの激しいオールブラックス



イングランドの平均年齢は27,9歳、ニュージーランドは25,7歳という
この差が後半のスタミナに影響するのか・・・?と思いきや
結局は後半も選手交代は想像とは逆にニュージーランド選手の方が若干数勝り、
最後までイングランドのフォワード陣は頑張っていました
(お互いに流血しながらでしたが・・・)


マーティン・ジョンソンやダラーリオのおっさん、二ール・バックがいなくても
時間がこの伝統のイングランドフォワードを支える選手が繋いでいくだろう・・という期待が持てました


それがイングランドのインゴールでのトライセービングタックルでした
飛び込んだニュージーランドの選手とグランドの間に体を滑り込ませ
タッチダウンをさせないプレーが2度ありました

この執念は・・・これこそが『イングランドのフォワード』であり、
彼等の本来のスタイルなのです



イングランドのファワード陣1列
頑張る第1列


そして、今回のテストマッチの試合の数々で
何度も倒され、踏みつけられ、倒れても起き上がり、
1度は失敗したものの・・・その後はきちんと自分の仕事をこなしていたチャーリー・ホッジソンと
怪我が早く回復し本来の力が戻るジョニ君との
お互いに精進し合える若い2人のスタンドがいて、
しつこく食い下がるバックスの中堅、
そして、このフォワードが揃っていたら・・・


来年の六カ国対抗戦がとても面白くなること、この上ないでしょう 



イングランドのスタンド チャーリー・ホッジソン
チャーリー・ホッジソン



そして・・・今回の試合で何かおかしいな〜と感じたトゥイッケナムのスタジアムは
南側のスタンドがなくなっていました

現在の収容人数75,000人から82,000人収容になると共に
4つ星クラスのホテルが併設されるそうです

何度かすでに冬の短い陽が落ちる様子と共に
この建設現場からのタワークレーンのオペレーターからの試合風景が写されていて
珍しい角度からの眺めを観ることもできました

このスタジアム併設のホテルが出来上がったら
是非宿泊して六カ国対抗戦を観戦してみたいものです 



先ずは来年の対抗戦がより待ち遠しくなったイングランドチームへの期待が
大きくなったことが何よりも嬉しい1戦でした 



そして、1日も早く代表に戻ってほしいジョニの
あの目の覚めるようなゴールを心待ちにしています


ジョニー・ウィルキンソン
カムバックの期待が大きいジョニ君









そして、このテストマッチと平行して英国内ではもとより、ヨーロッパも含め
様々な大会が行なわれています


それは南半球のラグビーに関してはトライネーション、スーパー12(今年からは14)
そして国ごとのNPC(ニュージーランドの州代表)や
カーリーカップ(南アフリカ地区代表選手権)などがスカパーでの放映も相まって
以前よりも判りやすくなっていますが・・・・
北半球は1つの国(英国)が独立したユニオンを幾つか持っていることもあり
なんとなく判りにくく、
尚且つ残念ながら現在は放映も殆ど行なわれていません






そして、この数多い大会の中から特出していく選手が
いずれは来年の六カ国対抗戦への代表のキャップを手にしていくのだろう・・ことは想像に難くありません

そんな訳で私のよく判る『プレミアシップ・ラグビー』の他に
こんな大会が行なわれていることをまとめてみました

すでにお解りの皆様はどうぞすっ飛ばして下さいませ









【ハイネケン・カップ】




ハイネケンカップの決勝リーグ
今年の決勝リーグで戦ったおフランス・ドミニシとウェールズ・トーマス


1995年にスタートしたラグビー版のチャンピオン・リーグに相当する大会

欧州の強豪クラブチームが書くリーグの合間を縫って行なうクラブ選手権です
出場するのは

クラブチーム数(計24チーム)
1. おフランス
2. イングランド
3. ウェールズ
4. アイルランド
5. スコットランド
6. イタリア

上記の国々からの出場できるクラブチーム数は全部で24チーム

これを4チームづつ6組に分けて各チーム1位と各2チームのうち勝ち点が多い2チームが
決勝リーグをトーナメント方式で競い合うそうです

10月21日に開幕し、来年5月20日にミレニアム・スタジアムで
決勝戦を行なう事が決まっています

現在はその決勝リーグ進出をかけて
それぞれの6組の中での試合が行なわれています

参考までに昨年の決勝リーグに進出したチームは

クラブ名 プール 順位 勝ち点 トライ数
1. レンスター アイルランド 26 33
2. トゥールーズ おフランス 3 1 24 21
3. スタッド・フランセ おフランス 6 1 23 19
4. ビアリッツ おフランス 1 1 22 20
5. マンスター アイルランド 4 1 22 12
6. ニューカッスル イングランド 5 1 22 10
7. ノーサンプトン イングランド 5 2 21 11
8. レスター イングランド 2 2 19 24




現在行なわれている詳しい情報は下記サイトよりご覧いただけます

Heineken Cup Home






【ヨーロピアン・チャレンジ・カップ】

ヨーロピアン・チャレンジ・カップ

今ひとつ良く判らないでいるのが、この大会です
チーム名を見るとイングランドとおフランスのクラブチームの選手権のように見えますが
ヨーロッパ各国に跨っています

ハイネケン・カップとの違いはルーマニアの参戦でしょうか・・・・・

一応組み合わせについては下記の通りになります



Pool1 Viadana(伊) Narbonne(仏) Northampton Saints(ENG) Bristol Rugby(ENG)
Pool2 Agen(?) London Irish(ENG) Rugby Parma(伊) Paloise(仏)
Pool3 Gloucester Rugby(ENG) Bayonne(仏) Toulon (?) Bucuresti (ルーマニア)
Pool4 Border Reivers(スコットランド) Brive(仏) Newcastle Falcons(ENG) L'Aquila(伊)
Pool5 Connacht(アイルランド) Montpellier(仏) Worcerster(ENG) Amatori Catania(伊)






【ケルティック・リーグ】




ウェールズ、アイルランド、スコットランドのケルト系3カ国によるリーグ戦
私が今最も見てみたいリーグ戦でもあります

今年は9月2日に開幕し、現在の順位は

1位 アルスター アイルランド
2位 カーディフ ウェールズ
3位 エディンバラ スコットランド

エディンバラの監督は何と前ニュージーランドの主将・ブラガッター
主な選手はスォンジー・オスプリーズのヘンソンやシェーン・ウィリアムズ、レンスターのオドリスコルなど
各国の代表選手でもある、おなじみの彼等がプレーをしています

ただし、オドは最近おフランスへのチームの移籍話もあり、
アイルランド協会が引き留めに躍起になっている・・・とのことも・・・

オドにはやっぱり『アイルランド』のチームで頑張ってほしいと思う反面、
彼の力が増すようなチャンスがあればもっと広い世界でもっと磨いてほしい気持ちもあります


今年のライオンズ主将・オド







【アングロ・ウェリッシュ・パワージェンカップ】



今年から開催されるカップ戦で、イングランドのクラブチーム3つと
ウェールズのスーパークラブ1つとで
1つのプールを作り、4つのプールでリーグ戦を行い
各1位のチームのみがセミファイナルに進出する・・・という

各プールの組み合わせは



Pool 1. Bath Ospreys Gloucester Bristol
Pool 2. Wasps Cardiff Blues London Irish Saracens
Pool 3. Leeds Newcastle falcons Llanell Scarlets Sale Shaks
Pool 4. Newport-Gwents Dragonns Leicester Tigers Warrios Saints


このカップ戦には当初アイルランドを参加するかどうかの検討があったようですが
地理的にも近いこの2つの地域での開催になったそうです







【イングランド・ギネス・プレミアシップ】



プレミアシップ開幕戦


ングランドのクラブチーム選手権で私達には1番おなじみの大会でしょう

昨年まではスポンサーが“チューリッヒガス”でしたが
今年は“ギネス”にとって変わりました

そして、私達の国でも幾つかの試合は放映されていましたが
今年は現在までに放映されていず、予定にも出てきていません
なんとも寂しい限りです・・・

参加チームは12チーム

今年は9月2日から開幕になり
来年の5月27日までたっぷりと楽しめます

各チームともにホーム&アウェイ形式で同チーム2試合づつ、
各22試合の成績で順位がつけられ上位4チームで決勝リーグが行なわれます

今後のイングランド代表選手を知るには絶好の指針になります

ですから、是非昨年同様1試合でも多く今後の放映を御願いしたい大会です



チームのサポーター











こうしてまとめてみると六カ国のそれぞれのお国の試合スケジュールは想像以上に多いですね

特にイングランド、おフランスは国内リーグも充実しているようですから、
シーズン中の選手の負担は大変なものと思います

2月から始まる六カ国対抗戦が大きな山場ではあるかと思いますが
怪我が絶えないこともこのスケジュールでは・・・と・・・・

また今期は南半球からの選手も多く移籍していますので
彼等の今後の活躍からも目が離せません


今私達が試合以外で情報を得るには11月からスカパーで放映されている
不定期の『トータル・ラグビー』というIRBによるラグビー情報番組が始まっていますので
もしご覧になれる皆様にはお勧めです

そして、今月に入ってのテストマッチもまだ再放送が行なわれるでしょう・・・


ただ、その中で唯一とても残念なのが
アイルランド戦の放映がないことです

今期最後のダブリンのご自慢のスタジアム
“ランズダウンズロード”


ランズダウンズロード


結果が判っていても是非放映していただければ・・・
こんなに嬉しいことはないでしょう 



そして、前回の遠征で怪我に倒れたオドは今回のテストマッチには
参加していませんが・・・

その代わりに大きく成長したオガーラ君が見てみたいです
(でも、ハンフリーも好きです  )




ハンフリー

500ポイントを上げたハンフリー









さて、先日お隣の国の首都ダブリンで行なわれてた
IRBの2011年のラグビーフットボールのワールドカップの開催国誘致決戦では
我が国が有力候補と言われながらも結局はニュージーランドにその大役を奪われ
さぞかし日本のラグビー協会はかっがりしたことでしょう

理由は様々報道されていましたが
やはり今回の選択はIRBの決定が妥当に思えて仕方ありません

まだまだ全て於いて世界の強豪との差は選手の力だけではないことに
早く協会が気がつき、
次への発展に繋げていくことを節に願います

私達は決して選手の皆さんの実力が世界に通用していないとは思ってもいません
むしろ、協会の在り方を再度見直しての発展を心より望んでいます








さて、夏に掲載できなかった楽しみにしていたツアーを
遅まきながら作ることができました

これからのシーズンでの旅する目的で本当に楽しみなのは私にとっては
ラグビー


彼の国でが様々な大会がすでに開催され、
その模様は複雑怪奇に絡み合い
そして、選手達は自分自身のスキルを上げる為日々精進をしています
その様子をより詳しく知る為に敢えて今回またまた南半球優勢、北半球劣勢のスタートにも見えるこのツアーから・・

今後も私なりの英国のラグビーに関してのページを続けさせていただくことになるかと思います

どうぞ、ラグビー観戦にご興味がおありになる皆様からのご意見・ご質問をお待ちしております






注)これはあくまでも私個人の感想になります
皆様それぞれのご感想やご意見をお持ちでいらっしゃることと思います
皆様のご意見などお待ちしています











Top New ページのTop  スポーツの窓 (ゴルフページはこちらからお進み下さい)


2003年ワールド・カップ 前哨戦 (こちらから2003年WCページへへお進み下さい)


  ワールドカップその後 EPISODE 1


2004年シーズン後 EPISODE 2


2005年六カ国対抗戦  EPISODE3 【1】〜【3】はこちらからお進み下さい



トゥッケナムスタジアムへの道 EPISODE4 【その1】



2005年〜2006度英国ラグビー、その前にやっぱりライオンズツアーEPISODE4【その2】